院長ブログ

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院長の本棚(番外編)⑥

なぜ心はこんなに脆いのか ランドルフ・ネシー著

進化論で明らかにする、心が傷つきやすい本当の理由について解説する本です。なんだか読んでみたくなりそうですね。不安や抑うつといった症状は、一見私たちにとってデメリットにしか見えません。しかし、これらを引き起こすメカニズムが人類の歴史の中でなぜ淘汰されなかったのか、という進化論の視点に立ったとき、それらが私たちの生存のために必要な存在であったことが見えてきます。またその視点から、その機能がなぜ現代において誤作動を起こし、不安などの症状を引き起こしているのかも考察し得るのです。つらい気持ちが存在する理由を進化論で解き明かす、画期的な進化心理学というわけです。この主張をすべて信じるか、は置いておいて、このような視点がある、ということを知ることは、思考の幅を広げると思います。