
院長ブログ
院長の本棚番外編⑫
ゲーテはすべてを言った 鈴木結生著 【令和7年6月】
本書は第172回芥川賞受賞作です。2001年、21世紀生まれの著者のデビュー作だそうです。
物語の端緒は、銀婚式に当たる結婚記念日に娘夫婦が連れていってくれた郊外のイタリア料理店での出来事から始まります。日本におけるゲーテ研究の第一人者とされる博把統一(ひろばとういち)のコースの最後の紅茶のティー・パッグのタグに印刷されていた、「Love does not confuse everything, but mixes. Goethe」(統一の訳では「愛はすべてを混淆(こんこう)せず、渾然(こんぜん)となす」)という名言の出典、すなわちゲーテの何という作品に載っている言葉かを突き止めようとする学者ならではの執念深さがその後綴られていきます。
難解な部分も多く、十分理解出来たとは言えないところもあり、評価の分かれるところもあるかもしれません。でも、私としては、とても興味深く、引き込まれて通読しました。