院長ブログ

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超高齢社会で求められること

超高齢社会で求められること

~認知疾患医療センター指定を受けて~

 

以前のブログに書きましたが、当院では精神科医療のなかでも、ユース世代への医療や対応に力を入れています。これからもこの基本方針が変わることはありません。

ところで、今、これからを担う若い世代への対応と対をなして大切だと思われるのは、高齢者の方々への対応・支援でしょう。ご存じのように、日本は超高齢社会です。平成28年現在65歳以上人口の割合、いわゆる高齢化率は26.7%、4人に1人です。また、75歳以上の後期高齢者も急速に増えていて12.9%、大体9人に1人という割合になっています。

高齢になるとがんをはじめとした体の病気が色々とみられるようになり、同時に、記憶力の低下や、曖昧な表現ですがこころのエネルギーの低下を実感するようになります。精神科医療に携わる私たちは、高齢の方々の身体不調に伴う不安や不眠、抑うつ気分、そして認知症の症状に対応することが求められています。

当院でも、高齢の方々の精神科診療や支援を行ってきましたが、このたび、平成29年4月に認知疾患医療センターの指定を受けました。これは、認知症専門医療の提供と介護サービス事業者との連携を担う中核機関として県から指定を受けたもので、以下の4点が求められる機能とされています。現在茨城県では現在13の医療機関が指定されています。

①専門医療機関として、詳細な診断や急性精神症状への対応、身体合併症を有する患者への対応を行う。

②認知症医療の地域における中核的機関として、専門職研修会や連携協議会開催、専門的な相談を通して、医療機関と介護サービス提供事業所等との連携強化を図る。

③認知症医療の情報センターとして、地域住民への認知症に対する理解を含めた啓発活動や相談を行う。

④地域における医療と介護の連携拠点として、認知症連携担当者を配置し、地域包括支援センターとの連携機能の強化を図る。

医療機関は中継・連携点(ハブ)となる立場にあると思いますが、大切なのは、色々な領域の支援体制や支援機能の連携です。センターの指定を受けたことをきっかけに、連携構築に注力し、高齢者のみなさまの中でも特に認知症の方々とそのご家族を支援することに努力していきたいと考えています。